未来にいがた県議団は、平成30年度予算に関する要望(全118項目)をまとめ、本日、米山隆一知事に要望書を手渡し、意見交換を行った。
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その後、教育長にも要望書を手渡し、教育委員会と意見交換を行った。
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要望事項は下記の通り。(下線は重点要望項目)

1 基本姿勢と行財政運営

① 県人口は1997年をピークに19年連続の深刻な人口減少となっていることから、U・Iターンを促す施策や子育て支援など、抜本的かつ実効性のある施策の展開を図ること。また、国に対しては東京一極集中を是正し、人口減少対策に向けた抜本的な制度見直しを求めること。

県職員の時間外勤務など労働過多が恒常化し、過労死につながる深刻な状況にあることから、これまでの定員適正化計画を検証し、災害時の危機管理や県民への行政サービス向上に県が責任を持って対応できる適正な人員体制を構築すること。

県行政を円滑にかつ力強く推進していくため、県職員や県組織の力を十分に活用していくことを目指したガバナンスの強化、及び組織マネジメントの構築に取り組むこと。また、新たな内部統制制度の整備に取り組むこと。

④ 過般の地方交付金を人質にした地方公務員の給与削減に見られるような地方自治への不当介入など、地方主権を脅かす国の施策に対しては、県民の暮らしと安全・安心を守るため、毅然とした姿勢を貫くこと。

公教育の一環を担う私学の重要性に鑑み、経常費の2分の1助成制度を堅持・拡大すること。また、公立との格差解消に向け、家庭負担の軽減を図るとともに、低所得者層への支援を拡充すること。

⑥ ITの導入と利活用により、県民生活や行政サービスの利便性向上と業務の効率化を図るとともに、県の情報発信力の強化に取り組むこと。

⑦ 資産を有効活用するため、ファシリティーマネジメントの観点から検討を行い、遊休資産の売却や利活用に努めること。

⑧ 国際会議や武道・スポーツ等の全国大会の誘致に向け、関係者、行政、県民が一体となった誘致活動の充実と支援を図ること。

⑨ 留学生の受け入れをはじめとする人的な国際交流事業や、県産品の販路拡大等を目的とした経済交流などについて、県としての国際戦略を持って取り組むこと。

⑩ 電気事業会計の利益剰余金について処分の基準を明確にするとともに、地域振興積立金の充当事業についても、その目的に則り一定のルールのもと県民に分かりやすい形で選定すること。

 

2 拉致問題の解決

横田めぐみさんをはじめとした拉致被害者及び特定失踪者全員の一刻も早い帰国の実現に向け、「知事の会」との連携や国への要望など取組を強化すること。

② 被害者ご家族との情報共有を最大限に行い、ご家族の活動を精神的な面からも支えるよう努めること。

③ 拉致問題解決のための世論喚起は重要であり、県民集会など県民への啓発・広報活動の充実のため、関連予算を拡充し取組を強化すること。

 

3 社会基盤整備

建設業の人材確保に向けた施策を図り、持続経営できる担い手確保支援を推進すること。

② 安心安全な県土を守るため、県単公共事業の拡充を図ること。また、県内建設業への受注機会の確保に向けた地域保全型工事の促進と県内企業への優先発注、及び建設産業活性化プランの更なる促進を図ること。併せて、入札の公平性・透明性・競争性を確保すること。

③ 除雪費の十分な確保に努めること。また、除雪の影響などにより降雪期後は道路の傷みが激しいため、同時期に一斉点検を行うなど適切な道路補修に努めること。

④ 県道に敷設された消雪パイプの老朽化が進んでおり、水源水量の減少が著しい施設も少なくない。古い施設については更新等を遅滞なく行い、必要であれば水源井戸の新規掘削等を通じて、消雪パイプの機能確保に努めること。

⑤ 県道における渋滞箇所については、道路の拡幅や交差点改良など早期に効果が期待できるものから優先的に進め改善に努めること。

⑥ 交差点での交通事故多発や、危険個所が多く存在する通学道路などの実態を踏まえ、住民から要望が多く出されている信号機や歩道の計画的な整備促進を図ることと併せ、高齢者の事故防止対策の強化を図ること。

河川ハザードマップの作成及び周知支援を行い、発災時の被害を最小限に抑えるための施策を図ること。

平成29年7月豪雨のように、中山間地で発生する河川氾濫や土砂崩れ等に起因する農地等の被害は同じ場所で繰り返されている傾向が見られることから、災害復旧とは別枠で抜本的な再発防止策を講じること。

国道403号三条北バイパス及び小須戸田上バイパスの完成は、県央地域の産業振興や地域住民の生活の利便性向上だけでなく、計画する県央基幹病院及び救急救命センターにつながる命の道路でもある。未整備区間を早期に完成するとともに、未事業化箇所については早急に事業化し着工すること。

⑩ 県央基幹病院整備推進にあたり、病院周辺の円滑な交通確保のための道路整備、及び道路冠水対策のための排水路等の整備を、関係市と協議の上推進すること。

⑪ 見附市内を流れる貝喰川について、平成25年4月に国土交通省から貝喰川の改修が盛り込まれた信濃川下流(山地部)圏域河川整備計画が許可され、平成28年度には県による放水路の基本計画がまとめられている。見附市街地や耕作地の浸水対策には貝喰川の改修が必要であり、早期に事業着手すること。

⑫ 刈谷田川に架かる瑞生橋の改修について、当初計画の平成28年度橋りょう下部工事等着手が、予算配分がなく着手できなかったことから、平成31年度供用開始が難しくなると懸念される。当該区間は通学路であり、橋りょうの老朽化に加え歩道もなくカーブしていることから見通しも悪く非常に危険であるため、当初計画通り供用開始できるよう事業着手すること。

⑬ 長岡市東川口地域は豪雨の度ごとに浸水を繰り返しており、原因となっている大平沢川の流下能力を向上させるなど、浸水を未然に防ぐための抜本的な改修が必要である。地域との合意に基づく要望書が長岡市から提出されていることも踏まえ、当該河川の改修を早期に行うこと。

⑭ 北陸新幹線上越妙高駅の新潟県の玄関口化に向け、百年の大計に基づく駅周辺の街なみ整備に県の積極的な支援を行うこと。

⑮ 松本糸魚川連絡道路及び上越魚沼地域振興快速道路等の高規格道路は、本県の観光及び産業振興に寄与するとともに、災害時の避難経路となるため、早急に事業を推進すること。

⑯ 保倉川放水路計画について、地域住民の合意形成に十分配慮しながら、早期に事業化すること。

 

4 交通政策

北陸新幹線の開通により厳しい経営環境下にあるえちごトキめき鉄道及び北越急行について、地域住民の足を守り、持続性のある安定経営に向け、県として最大限の支援を行うこと。

② えちごトキめき鉄道について、新幹線及び隣接する鉄道との接続や切符の販売方法など、利便性の向上に向けた取組を更に強化すること。

③ 北陸新幹線の停車駅問題について、引き続き「かがやき」の停車に向け地元自治体と連携しJRへの働きかけを強化するとともに、「つるぎ」及び「あさま」の延伸等についても検討すること。

④ 新潟空港の拠点性確保のため、既存航空路線の維持・拡充に取り組むとともに、新規航空路の開設を促進すること。特に、ソウル線及びハルビン線の更なる増便に向けた取組を強化するとともに、ロシア2路線の維持・定期化のため利用率向上の取組を強化すること。また、台北線の定期便化を契機に、台湾からの誘客と国内客の利用促進に努めること。

⑤ 新潟空港アクセスについては、新潟市のまちづくりの視点も含め慎重に検討すること。また、空港利用者の満足度を上げるサービスの提供及び施設整備に努めること。

⑥ 新潟港及び直江津港からの輸出増強に取り組み、輸出入のアンバランス解消を図ること。また、施設整備や環境整備など一層の機能強化を図ること。

寺泊-赤泊航路の利用促進に向けた施策を早急に検討し、航路の存続と佐渡観光の振興を図ること。

⑧ クルーズ船の誘致に向けた受け入れ態勢の整備とPR活動の強化を図ること。

⑨ 高齢ドライバーが引き起こした事故が社会問題化している状況を考慮し、高齢者の免許返納に対する意識啓発に努めるとともに、公共交通の充実などを通じて免許を返納しやすい環境づくりに努めること。

 

5 産業・労働・観光政策

① 中小零細企業への支援策として、セーフティーネットの強化やマイナス金利政策の継続などを実施し、資金調達の円滑化、新技術導入、及び高付加価値化への支援などに取り組むこと。

② 地場産業について、国内外の展示会への出展支援など販路拡大を支援するとともに、積極的かつ一体感のあるPR活動に取り組むこと。また、大規模展示場の整備など、県内における見本市ビジネスの可能性について研究を進めること。

本県の立地優位性を活かし、石油、LNGなどのエネルギーの供給基地として機能できるよう港湾整備等を行うとともに、海洋エネルギー資源である表層型メタンハイドレートの技術開発研究を推し進め、その恩恵が県内に波及するよう重点的に取り組むこと。

④ 柏崎刈羽原子力発電所の運転停止に伴う立地地域への支援は、国の支援と合わせて必要性を判断して適切に実施すること。

⑤ 国の成長戦略に位置付けられている日本酒の輸出促進など、地域活性化策に対応した施策の拡充を図ること。

⑥ 再生可能エネルギー産業の積極的な誘致と併せ、県内全域への「新潟版グリーンニューディール政策」の加速を図ること。

労働人口の減少に伴い、県内中小企業の人材不足が課題となっている。その解消に向け、マッチングや求職支援対策を図ること。

県内におけるブラック企業の根絶と、非正規労働者の正規雇用への転換を促進するため、正規化に積極的に取り組む企業の支援などに取り組むこと。

⑨ 男女共同参画を一層進めるとともに、ワークライフバランスの推進を図るため、啓発活動の充実、並びに企業や団体などの支援になお一層取り組むこと。

⑩ 県内企業の障がい者雇用に対する負担軽減や、「スマイル・カンパニー制度」、「特例子会社制度」などの積極的な活用で、官民を問わず障がい者雇用率が達成できるよう関係機関に働きかけること。

⑪ 労働者の雇用安定、並びに公契約に係る業務の質及び継続性の確保を図るため、「公契約条例」の制定に取り組むこと。

⑫ 外国人観光客の増加に向け、県内観光地の情報発信に努めるとともに、案内設備やWi-Fiなど情報インフラの整備に一層努めること。また、着地型観光の推進に向け、DMO支援や人材育成にも努めること。

⑬ スキー客の減少に歯止めをかけるため、徹底したニーズ調査を実施しターゲットを絞り込むなど、戦略的な誘客活動を更に強化すること。また、県民がウィンタースポーツに親しむ環境づくりに取り組むこと。

⑭ 四季を通じた観光誘客のため、本県の長い海岸線を活かしたマリンレジャーや海水浴客の更なる獲得に向け、観光PRや必要なインフラ整備に努めること。

⑮ 鉄道や高速道路の優位性を活かして観光周遊ルートを構築し、拡大するインバウンド需要の積極的な取り込みを図ること。また、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせて、交流人口の拡大を図るとともに、県内産品のPRができるよう、県内自治体との連携も図りながら施策の展開を図ること。

 

6 農業政策

米国不参加で進めようとしている不透明なTPP交渉については、合意内容について国に情報開示を求め、県内農産物への影響調査と生産者への情報提供が十分にできるよう必要な対策を講じる と。

農業所得が十分に確保されない懸念がある国の農業政策の後退により、小規模零細農家が切り捨てられ、本県農業の衰退や中山間地の荒廃、農村集落の衰退を招くことのないよう対策を講じること。また、生産農家が円滑に営農できるよう県として最大限の支援を行うこと。

③ 新潟米の品質向上について、生産技術の確立と指導の徹底、区分集荷の促進など、トップブランドの地位に甘んじることなく危機感を持って取組を強化すること。

④ 新ブランド「新之助」の良食味・高品質生産に向けた体制を整え、国内はもとより国外へも積極的にPRし、トップブランドの確立に努めること。

⑤ 米粉の普及について、食品工場の既存設備の改良に対する補助や、異業種連携による新商品開発の支援など、中小企業向けの需要拡大策も図ること。

⑥ 県産農林水産物のブランド化について、首都圏におけるPRの強化など観光政策との連携も図りながら、地理的表示保護等の高付加価値化や、品質向上、販路拡大などに積極的に取り組むこと。また、他県をリードしている本県産米の海外輸出の一層の推進を図ること。

⑦ 主要農作物種子法廃止後も、優良種子の安定生産及び普及に向けて主体的に対応すること。

⑧ 農産物の褐色斑点病などの病害虫被害、並びにサル、イノシシ、シカなどの野生鳥獣被害は深刻化しており、対策を強化すること。また、鳥獣被害対策のための対策指導者の育成、及びジビエ料理の普及啓発にも努めること。

農業の6次産業化、農業経営の多角化、農村の活性化を促進すること。また、担い手人材の確保・育成と新規就労者獲得に向けた施策の展開などにより、中山間地における耕作放棄地対策を強化すること。

農家所得の安定化を図るため「戸別所得補償制度」の復活を国に働きかけること。

⑪ 圃場整備の更なる推進とともに、農業生産を支える基盤である農業水利施設の維持及び長寿命化に向けた取組を進めること。

 

7 防災政策

① 全国的に想定を超える様々な大規模災害が多発し、各地に甚大な被害をもたらしていることから、徹底した危機管理と災害対応力の強化を図ること。また、安全で安心して生活できる地域を実現するため、最新の地震・津波浸水想定に対応した対策を速やかに講じるとともに、土砂災害の危険個所に関する防災教育及び意識啓発を市町村と連携して取り組むこと。

② 県民の防災意識向上のため、情報発信と啓発活動を強化すること。また、消防団との連携を図りながら、自主防災組織活動カバー率の向上及び更なる内容の充実を図ること。

③ 災害対策の拠点となる県有施設の行政機能及び避難所としての機能を確実に維持するため、耐震補強工事等の促進を図るとともに、緊急時の事業継続計画の実効性を確保すること。

④ 柏崎刈羽原子力発電所の事故時において、すべての県民が適切に被ばくを回避できるよう、関係市町村などと連携し実効性のある避難計画を速やかに策定すること。

柏崎刈羽原子力発電所の6・7号機について、「福島第一原発事故の収束と検証」、「原発事故が健康と生活に及ぼす影響の検証」、「万が一事故が起こった場合の安全な非難方法の検証」の3つの検証が徹底してなされない限り再稼働の議論はできないとした姿勢を堅持し、安全を求める県民世論に応えること。

柏崎刈羽原子力発電所の敷地内の断層について、原子力規制委員会は東京電力の調査結果を追認したが、地質学の専門家は活断層の存在を指摘していることから、技術委員会に新たな専門家を補強するなどして、県独自の徹底した調査を行うこと。

 

8 県民生活・環境政策

人口減少問題に対し、奨学金制度やU・Iターン支援等の施策の強化や、婚活及び子育て支援の充実など、総合戦略に基づきオール新潟体制で抜本的かつ実効性のある施策の展開を図り、予算確保に伴う費用対効果をしっかりと検証し、本県の人口減少に歯止めをかけるよう全力で努めること。

② 県内におけるバリアフリー化の進展度を調査するとともに、交通、情報等のバリアフリーに係る各種インフラ整備の推進も図ること。

③ 県民に安全・安心な食を提供するため、地産地消を一層推進するとともに、遺伝子組み換え食品や食品添加物、残留農薬等の検査体制の強化、相談窓口の体制拡充、並びに情報収集・発信機能の更なる充実を図ること。

④ 多発する消費トラブルに対し、特に、高齢者や若者に向けた啓発活動を更に強化すること。

⑤ 特殊詐欺の被害は近年増加の一途をたどっており、啓発活動の更なる徹底と実行犯の検挙率向上等を通じ、被害減少に努めること。

⑥ 東日本大震災に係る避難が長期化する中、本県に避難している避難者の現況及びニーズをしっかりと把握し、被災県等と連携した上で、避難者の気持ちに寄り添い継続した支援に努めること。

 

9 福祉保健・医療政策

① 政府の構造改革によって、医療、年金、介護、障がい者福祉など公的支出の削減と国民の負担増の改悪が行われ、生活水準の格差が拡大していることから、迫り来る超高齢社会に対応し地域で安心して暮らせるよう抜本的な社会保障制度の見直しを図ること。

市町村が独自に行う子ども医療費助成に対する国民健康保険の国庫負担金の減額政策の早期見直しを求め、子育て環境のより一層の整備に向け、子ども医療費助成事業の更なる充実を図ること。

③ 「子どもの貧困」の実態や貧困の背景にあるリスク要因を調査把握し、子どもの将来が生まれた環境に左右されることがないよう対策を講じ、子ども食堂等の子どもの居場所について支援を強化すること。

④ 共働き世帯の増加や核家族化の進行などにより、地域における子育て環境の充実が求められていることから、延長保育や病児・病後児保育等の更なる拡充や地域子育て支援センターの整備など、子育て環境のより一層の改善に取り組むこと。

⑤ 私立幼稚園の負担軽減はもとより、すべての園児に対して安全・安心な保育ができるよう、「気になる子」への専任保育士の加配に対する制度の創設を図ること。

⑥ がんによる死亡率を低下させるため、企業や市町村等と連携し、がん検診の促進及び早期発見について積極的な普及啓発、並びに受診勧奨に努めること。

本県は人口当たりの医師数等が全国平均に比べ大幅に少なく、医師・看護師不足は深刻な状況にある。受け入れ環境の整備、並びに修学資金貸与制度の更なる充実を図り、地域における医師・看護師の不足及び偏在を抜本的に解消し、確保策に万全を期すこと。

⑧ 研修医を確保するため、臨床研修病院が行う特色ある研修プログラム開発や指導医の手厚い配置など、魅力ある研修環境づくりに取り組むこと。

2025年には本県の介護職員が約4,700人不足するという需給推計に対応するため、介護人材確保対策会議をはじめとして各種・各所でしっかりと議論を重ね、介護職員確保策に万全を期すこと。

⑩ 在宅で常時介護を受けることが困難な重度要介護者への対応として、特別養護老人ホーム等の施設整備の更なる拡充に取り組むこと。また、住み慣れた地域や自宅で暮らし続けることを望む高齢者の声に応えるため、小規模多機能施設の増設や機能拡充など在宅サービスの充実を図ること。なお、施設の整備に当たり、県立病院の病床及び公共施設等(空き校舎・空き庁舎)の利用を検討し、地域包括ケアシステムの更なる充実を図ること。

⑪ 県立吉田病院の産科については、開業医では取り扱わないリスクの高い特殊出産のニーズが数多くあり、かつ地域において愛され信頼される県立病院であるため、安心・安全の体制を最大限持続し早期に再開するよう全力で医師確保に努めること。

県立吉田病院の本館等は耐震化が未了であり、昭和49年の建設以来40年以上も経過し老朽化が進んでいる。県立吉田病院の特色、役割を生かし、平成35年度早期の県央基幹病院開院までには改築工事を終了し、万全の体制で県央医療圏の構築を完遂すること。

県央基幹病院については、一刻も早く一日も早く救える命を救うため平成35年度早期の開院を目指すとともに、精神科病床設置については国としっかり議論し実現に向けて取り組むこと。

⑭ 燕労災病院については、労働者健康安全機構から早期移譲を受け、県央基幹病院の円滑な整備に向け準備を進めるとともに、県への移譲後も地域医療の担い手としてしっかりと機能させること。

⑮ 魚沼基幹病院については、地域住民の声が反映された魅力ある病院整備に向け、高度・専門的医療など地域医療の中核施設として安定運営を図ること。併せて、国の公立病院改革に対しては、公立としての使命に基づき、安心できる地域医療体制を存続すること。

⑯ 非血縁者間造血幹細胞移植事業(骨髄バンク・臍帯血バンク)を推進するため、ドナー登録数が少ない若年層への普及啓発を部局横断で実行し、県内の日本赤十字社献血ルームにおけるドナー登録活動を充実させるとともに、常設的な説明員を配置すること。また、骨髄提供者に対する休暇制度及び助成制度など支援制度を創設すること。

⑰ 本県の自殺率がいまだに高い水準にあることから、市町村、NPO法人、各種団体等と連携し、相談体制の確立など自殺予防策の一層の強化を図ること。また、自殺予防対策として、地域自殺緊急強化事業の継続、精神科医療の受け入れ体制の整備、更に医療内容の充実を図ること。

⑱ 重度心身障害者医療費助成制度において、精神障害者を適用対象外にしたり、1・2級を差別したりすることなく、地域格差の解消も含め、助成制度を創設すること。

⑲ 県立精神医療センターにおける未再開の業務について、一日も早く常勤医師を確保し再開すること。また、適正・的確な人員配置及び職員教育等をしっかり行い、二度と入院患者への暴行事件等の不祥事を起こすことのない体制を構築すること。

⑳ 保護者制度の見直しに伴い、将来に対し安心して生活できる住宅や経済的保障など自立的地域定着の支援体制は急務であり、生活保護制度など精神障害者が生活に必要な最低限の収入を得られるよう救済補助体制を構築すること。

㉑ 「障害者差別解消法」が施行されたことを受け、精神疾患を正しく理解し差別意識を低減させるための施策、並びに啓蒙・啓発を行うこと。

㉒ 「県央地域の精神医療体制を考える会」をモデルケースとして、本県の精神医療において同じ悩みを持つ皆様のことを真剣に考えていくという思いを持って、全県で展開すること。

性犯罪等の被害者が十分な支援を受けることができるよう、「性暴力被害者支援センターにいがた」の開設時間の拡充など機能強化を図ること。

㉔ 行政判断より幅広く水俣病患者と認めた最高裁判決を尊重し、国に二重基準の解消を求めること。また、異議申し立てに対する行政不服審査法に基づく速やかな審理判定と、最高裁判決を踏まえた適正かつ公平な審査、及び過去の認定処分の適法制の見直しで、被害者全員の救済に取り組むとともに、「新潟水俣病地域福祉推進条例」の趣旨を生かし、差別や偏見の解消と、きめ細かな具体的施策の推進を図ること。

 

10 教育政策

深刻化するいじめ問題等で自殺する生徒も発生していることから、少しでも兆候を見逃さないために、教職員が子どもたちと向き合える時間を確保できるよう人的配置を含めた体制整備を進め、早期発見及び早期対応に全力で取り組むこと。また、教育関係者はもとより県民全体によるいじめ根絶に向けた対策を強化するとともに、いじめは人権侵害であるとの観点に立ち、人権同和教育の一層の推進を図ること。

② 不登校対策について取組を強化すること。また、特別支援教育支援員として配置している臨床心理士について、より迅速に派遣要請に応じられる数を配置するよう拡充すること。

③ 全県一区制になり地元の子どもが入学しない高校もあり、地域に根差した教育から大きくかけ離れた実態がある。大幅な学科編成や学校統合を示している「県立高校の将来構想」は、地域に多大に影響を与え、遠距離通学による保護者の経済的負担が増えるなど問題が多いことから、地元で通える高校を存続するなど、地域住民との徹底した議論を優先すること。

公立小・中学校の教職員定数を2024年までに約5%削減する財務省の方針は、学校の現状を直視したものにはなっておらず、教育行政に大きな影響を及ぼすことから、行き過ぎた職員の削減は行わず必要な配置を確保すること。

特別支援教育について、個別の指導計画や教育支援計画の策定など一人一人に対する支援の一層の充実を図ること。とりわけ、小・中学校に比べて対策が進まない高等学校レベルでの取組を進めること。また、就労支援コーディネーターの配置などにより、高等部生徒の進路指導及び就労支援の充実に取り組むこと。

障害児差別解消法に則り、障害のある子どもが地域で共に学ぶことができるよう、特別支援学校における教室等の不足解消や、車椅子を使用している児童・生徒が在籍する特別支援学校へのエレベーター設置など、学校施設の整備に取り組むこと。

小・中学校全学年に少人数学級が導入されているが、現在の学校現場の実態からは更なる改善が必要であり、国に対して義務標準法の改正や教職員定数改善計画の策定を強く求めるとともに、下限撤廃など県独自の予算確保に努めること。

⑧ 子どもの個性を伸ばすため、特色ある学校づくりやキャリア教育の充実に取り組むこと。また、きめ細かく生徒の進路相談に対応するため、キャリアアップサポーター等の継続配置と充実に取り組むこと。

⑨ 生徒が学校を卒業し実社会に出るに当たっては、勤労の仕組みや働くルールについて知っておくことが重要であるので、中学・高校の授業で働くルールを学ぶ機会を充実すること。

⑩ 教職員の病休者及び精神疾患者数の増加に対応するために、全小・中学校でストレステストを実施するとともに、教職員の超勤及び多忙実態の解消とメンタルヘルスの充実を図ること。また、不足する代替教職員の確保対策と、非正規教職員の正規教職員化もしくは離職期間の撤廃、並びに賃金制度等の改善に努めること。

⑪ 文部科学省の勤務実態調査により、中学校教諭の6割が過労死ラインを超える状況が明らかになっている。また、中教審特別部会による緊急提言では「今できることは直ちに行う」とされ、教育委員会に適切な対応が求められている。このことから教職員の多忙な勤務実態を正確に把握するためのタイムレコーダー等の整備を進めるとともに、業務削減など多忙化解消のための実効ある具体策を講ずること。

⑫ 県内学校施設の耐震化については、校舎付属施設などについて更に検討を進め対策を講じるとともに、老朽化対策、トイレ改修、エアコン設置など子ども達が安全で安心な学校生活を送れるよう取り組むこと。

⑬ スポーツ競技力の更なる向上を図ること。また、全県的な底上げも行われなければならないので、各種スポーツの優秀指導者や強化指導員などについても、地域バランスを考慮した配置となるよう努めること。

⑭ 経済格差や「子どもの貧困」などを背景に、社会的困難を抱え個別指導等が必要とされる生徒が増加している定時制・通信制高校において、職員の加配とともに教育環境の整備にも配慮すること。

生活困窮者対策としての学習支援事業の推進に取り組むとともに、給付型奨学金制度の創設などにより、経済的な理由で進学や通学を断念する生徒がないように教育環境の整備を推進すること。

⑯ グローバルに通用する人材の育成を推進するため、これまでの事業のあり方を検証し、より適切かつ効果的な事業実施に努め、英語教育の充実強化をはじめとした取組を拡充すること。

⑰ 「新潟県防災教育プログラム」を積極的に活用し、地域と連携した防災教育を推進すること。

18歳選挙権による政治との関わりを教える主権者教育について、「政治的中立」に委縮して選挙制度の説明等で終わることなく、生徒の現実政治に対する「主体的な学び」に応えた、政治的教養を高める教育を推進すること。

 

以上